CASE & CHALLENGE

事例とチャレンジ

誰でも簡単、正確なタイヤ溝計測を実現し
自動車の安全性、事業運営コストの削減に貢献

〜レーザー・AI タイヤ総合測定システム「AIみぞみるくん®」〜

2025.03.05

  • 製品開発ソリューション
  • モビリティ
メインイメージ

POINT

  • ±0.25mm精度の計測と記録を一人でも簡単・効率よく実施できる
  • タイヤを横断してのデジタル計測で偏摩耗も検知可能
  • 計測したデータはクラウドに自動転送されるのでパソコン等でいつでも閲覧、管理が可能
  • AI技術と画像処理技術でタイヤの劣化を診断

開発の背景・課題

私たちの暮らしを支える自動車。その駆動と制動を支えるタイヤは安全性の要と言えます。タイヤの摩耗が進むとハンドルやブレーキが効かなくなるなど事故を引き起こす原因となることもあるため、その溝の深さが法律で定められています。
車検など検査を請け負う企業はもちろん、物流事業、交通機関など事業用の車両を多数保有する企業にとって、タイヤの点検は膨大な時間と労力を要する作業となっていました。

・計測の作業効率が悪い

車検などでは計測者と記録者の2人体制で実施する必要があり、人手がかかること。また、デプスゲージでは複数箇所の計測により時間がかかります。

・計測数値の正確性

デプスゲージでは、一箇所ずつ点で計測していくため、計測ポイントによっては偏摩耗などの重要な変化を見落としてしまう可能性があります。そして、一人ひとりのデプスゲージの使い方の微妙な違いが計測値の誤差を生む可能性があります。

・計測したデータの管理

正確にタイヤの状態を把握しようとすると、その分計測数値も増えていきます。計測したデータをPCで入力していく労力も増えますし、管理工数や入力ミスの可能性も増大します。

自動車の安全性を保つためにもタイヤのメンテナンスはとても重要ですが、従来の検査方法や体制に課題を抱えていたのです。

ソリューション

従来の検査作業をできるだけ自動化し、ミスや検査負担を減らすために開発したのが、レーザー光での計測により、迅速・正確にタイヤの溝が計測できる日本初のハンディ型タイヤ溝計測器「AIみぞみるくん®」です。

端末をタイヤの接地面に沿わせるだけで±0.25mm精度の計測とデータの自動転送を実現し、検査時間の大幅な短縮と正確性の向上することができます。

①簡単に素早く計測:タイヤ1本当たり約3~5秒で素早く計測

計測はタイヤの接地面に沿わせるように「AIみぞみるくん®」をスライドするだけ。所要時間はタイヤ1本当たり約3~5秒。ハンディ型のコンパクトなサイズで、自動車を動かすことなく、誰でも簡単に計測できます。

※ タイヤの幅や計測時の環境によって異なります。

②高精度の計測データ:誤差±0.25mmの高精度

タイヤ面を「AIみぞみるくん®」でなぞることで、熟練者やそうでない方でも一様に計測可能。レーザー光による計測のため、人による誤差が少なく、誤差±0.25mmの高精度の計測できます。また、タイヤの接地面の全幅にわたり溝の形状を計測するため、偏摩耗も検知可能です。

③計測データの自動転送:無線LAN経由でクラウドに自動転送

計測結果はリアルタイムでデータ化され、無線LAN経由でクラウドに自動転送されます。計測データを記録する作業がなくなり、作業効率アップによるコスト削減、入力作業によるミスもありません。計測結果はパソコン等でいつでも閲覧、管理が可能です。

④計測データの活用:点検・タイヤ交換時期検討に便利

計測データを活用し、「溝の減りが偏っているタイヤの車両データ」を抽出するなど多数の車両の管理が容易になります。また、蓄積したデータから、タイヤの経年劣化の状態や傾向を把握することができ、点検やタイヤ交換の時期の検討に活用できます。

⑤AI技術と画像処理技術でタイヤの劣化を診断

「AIみぞみるくん®」測定器に搭載のカメラでタイヤを撮影するだけで、プロの整備士に代わり、AIがタイヤの傷や亀裂を診断し、劣化をいち早く見つけ出します。
撮影した写真は、計測結果と合わせてクラウドに保存されます。

製品定格

分類 項目 仕様
一般 型番 MZ-700JA/MZ-S700JA(システム型番)
サイズ 79mm × 161mm × 39mm
重量 340g
連続稼働時間目安 4時間 ※1
電源 DC 5V
バッテリー リチウムイオン 2200mAh 3.6V
使用環境温度 +5°C 〜 +40°C
無線通信方式 WLAN(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac)
計測 計測範囲 0mm 〜 25mm ※2
最小目盛 0.1mm ※2
計測間隔 3ms
計測方式 拡散反射
光源 赤色半導体レーザ(クラス2)
レーザー安全クラス クラス2
レーザー波長、出力 波長 655mm、最大出力 1mW

●以下の条件下で適用されます。
※1 稼働時間目安は、画面の明るさや表示時間の設定、使用頻度などの条件により短くなります。また使用環境や内蔵電池の劣化度により異なります。
※2 対象物の反射率が低くないこと、対象物が濡れていないこと、周囲に強い光がないこと、使用環境温度内であること。

成果・今後の展望

「AIみぞみるくん®」のご利用を通じて、多くの計測データがクラウドに蓄積されてきます。このデータ分析を行うことにより、点検やタイヤ交換の時期を最適化や車両運用の効率化が可能となり、新たな付加価値の創出につながります。また、溝計測、タイヤ劣化診断の簡便化、省人化により、安全点検をより常態化することになり、安全性の向上が期待できます。今後も、IoT、AIなどの最先端技術を単なる技術領域に留めず、簡単、便利で有効なソリューションとして提供することで、企業の課題や社会のニーズに応えていきます。

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