CASE & CHALLENGE

事例とチャレンジ

誰でも簡単、正確なタイヤ溝計測を実現し
自動車の安全性、事業運営コストの削減に貢献

〜ハンディ型タイヤ溝計測器「みぞみるくん(仮称)」〜

2021.05.15

  • 製品開発ソリューション
  • モビリティ
メインイメージ

POINT

  • ±0.1mm精度の計測と記録を一人でも簡単・効率よく実施できる
  • タイヤを横断してのデジタル計測で偏摩耗も検知可能
  • 計測したデータはPCに自動転送されるので正確なデータ管理ができる

開発の背景・課題

私たちの暮らしを支える自動車。その駆動と制動を支えるタイヤは安全性の要と言えます。タイヤの摩耗が進むとハンドルやブレーキが効かなくなるなど事故を引き起こす原因となることもあるため、その溝の深さが法律で定められています。
車検など検査を請け負う企業はもちろん、物流事業、交通機関など事業用の車両を多数保有する企業にとって、タイヤの点検は膨大な時間と労力を要する作業となっていました。

・計測の作業効率が悪い

車検などでは計測者と記録者の2人体制で実施する必要があり、人手がかかること。また、デプスゲージでは複数箇所の計測により時間がかかります。

・計測数値の正確性

デプスゲージでは、一箇所ずつ点で計測していくため、計測ポイントによっては偏摩耗などの重要な変化を見落としてしまう可能性があります。そして、一人ひとりのデプスゲージの使い方の微妙な違いが計測値の誤差を生む可能性があります。

・計測したデータの管理

正確にタイヤの状態を把握しようとすると、その分計測数値も増えていきます。計測したデータをPCで入力していく労力も増えますし、管理工数や入力ミスの可能性も増大します。

自動車の安全性を保つためにもタイヤのメンテナンスはとても重要ですが、従来の検査方法や体制に課題を抱えていたのです。

ソリューション

従来の検査作業をできるだけ自動化し、ミスや検査負担を減らすために開発したのが、レーザー光での計測により、迅速・正確にタイヤの溝が計測できる日本初のハンディ型タイヤ溝計測器「みぞみるくん(仮称)」です。

端末をタイヤの接地面に沿わせるだけで±0.1mm精度の計測とデータの自動転送を実現し、検査時間の大幅な短縮と正確性の向上することができます。

①簡単に素早く計測:タイヤ1本当たり約3~5秒で素早く計測

計測はタイヤの接地面に沿わせるように「みぞみるくん(仮称)」をスライドするだけ。所要時間はタイヤ1本当たり約3~5秒。ハンディ型のコンパクトなサイズで、自動車を動かすことなく、誰でも簡単に計測できます。

※ タイヤの幅や計測時の環境によって異なります。

②高精度の計測データ:誤差±0.1mmの高精度

タイヤ面を「みぞみるくん(仮称)」でなぞることで、熟練者やそうでない方でも一様に計測可能。レーザー光による計測のため、人による誤差が少なく、誤差±0.1mmの高精度の計測できます。また、タイヤの接地面の全幅にわたり溝の形状を計測するため、偏摩耗も検知可能です。

③計測データの自動転送:無線LAN経由でパソコンに自動転送

計測結果はリアルタイムでデータ化され、無線LAN経由でパソコンに自動転送されます。計測データを記録する作業がなくなり、作業効率アップによるコスト削減。入力作業によるミスもありません。

④計測データの活用:点検・タイヤ交換時期検討に便利

計測データを活用し、「溝の減りが偏っているタイヤの車両データ」を抽出するなど多数の車両の管理が容易になります。また、蓄積したデータから、タイヤの経年劣化の状態や傾向を把握することができ、点検やタイヤ交換の時期の検討に活用できます。

タイヤ溝計測イメージ

製品定格

分類 項目 仕様
測定 測定方式 レーザー光による位置読み取り方式
測定深度 最大25mm
測定精度 ±0.1mm
サンプリング間隔 20ms
通信 無線LAN IEEE 802.11 b/g/n
アンテナ 筐体内蔵
電源 乾電池 単3形 4本
連続稼働時間 約6時間(アルカリ乾電池)
外観 外形寸法 全長165mm 幅80mm 高さ35mm
質量 500g(電池含む)
ディスプレイ 1.3inch モノクロ液晶
材質 難燃性ABS樹脂

成果・今後の展望

今後、「みぞみるくん(仮称)」の活用を通じたさまざまなソリューションで企業変革に貢献していきたいと考えています。
たとえば、計測したタイヤ溝データを一元管理することで経年劣化の状態や傾向を把握。データを活用することで、点検やタイヤ交換の時期の検討に活かす、効率的な車両運用に活かすなど、様々な価値の創出につなげていける可能性があります。
今後もIoT、モビリティなどの分野において、新たな技術の導入や開発にも積極的に挑戦し、顧客企業の抱える課題や社会のニーズに対し、様々なソリューションの提供を目指していきます。

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