新規事業創出プロジェクト機構設計 × 電気設計

CROSS TALK #02

会社としてのチャレンジが、
技術者としてのスキルを
高めてくれる。

後輩2022年入社機構設計

先輩2017年入社電気設計

前例のないプロジェクトに、
若手の意見も尊重される。

後輩早速ですが、当社初の自動車業界のプロジェクト、「AI みぞみるくん」の開発でご一緒させていただきましたよね。このプロジェクトが立ち上がった経緯ってご存じですか?

先輩途中参加だったので聞いた話ですが、新規事業へ挑戦するためのアイデアを全社的に募集していた時に出たそうです。ある社員が自動車整備士の方から「タイヤの溝計測で困っている」という声を聞いたのがキッカケみたいで。

後輩私たちが入った当初は「これから具体的に機能を決めていこう」という段階でしたよね。まだまだ若手の私も含めてもらって、プロジェクトメンバーの皆さんと仕様を固めていった記憶があります。

先輩確かに前身となるタイヤ溝計測器はできていましたが、AIの機能やAndroidの搭載といった話は当時まだありませんでしたね。「タイヤの販路拡大にも活かせた方がいいのでは?」などのやり取りで、プロジェクトを進めながら仕様が決まっていった印象です。ちなみに機構設計では、どの部分を担当されたんですか?

後輩筐体の中に入る部品のレイアウトや、各部品の素材選定がメインです。レイアウトはレーザーやプリズムなど位置関係で性能の測定値も変わるので、その実験も担当していました。電気設計ではどんなことをされていたんですか?

先輩部品同士をつなぐ回路の設計はもちろんですが、電気部材の性能チェック、あとはそれらの部品がどれだけ調達しやすいかという、量産に向けた検討も担当していました。

後輩回路の設計や量産に向けた話し合いの中で、頻繁に私ともやり取りするようになりましたよね。個人的にはそこから信頼関係も生まれたと思って、親しくさせてもらっているんですが、後輩から仲良くされるのはイヤではないですか?(笑)

先輩全然問題ないですよ! 話しやすい関係性は、仕事もやりやすくなりますし。会社全体の雰囲気としても、PM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)の方とも喋りやすい環境ですし、パーソルAVCテクノロジーの社風なんだと思います。

ノウハウのない中、
各分野との連携で課題を解決していく。

後輩プロジェクトを進める中で、電気設計の担当として難しさを感じたことはありませんでしたか?

先輩当時は半導体が世界的に不足し、価格も高騰している中だったので、企画の実現と外的環境の間で本当に悩みましたよ。

後輩社内外の調整でだいぶ苦労されているのは、私も見ていました。機構設計としてはプリズムの調達で少し苦労したとはいえ、半導体ほどの問題ではなかったので、比べ物にならなかったと思います。

先輩入手のしやすさと性能の折り合いが付くものという、社内外の要求を満たすのは本当に大変でした。そもそもお客様の製品開発の一部を担う請負や派遣の形でしか業務経験がなく、自分たちで仕様を決め、自分たちで設計や改善もしていくという仕事にも戸惑いましたよ。

後輩自社で製品開発することは、かなり昔にあったと聞いていますが、社内のノウハウもほぼありませんでしたよね。

先輩だから私は、社内外問わずいろんな方に意見を聞いていましたよ。開発と並行しながらマーケティング担当から「液晶の明るさはどの程度必要なのか」、「他社製品はどんな部材を使っているのか」なども調べてもらいました。機構設計としてそういう苦労はなかったですか?

後輩私は入社して間もないタイミングだったので、基礎知識を勉強することから必死でしたが、今回の「自社で一からモノをつくりあげること」から得る学びは、非常に多かったです。電気やソフトといった他分野の設計者との連携も多くて、幅広い知識と経験を積める環境に、とてもやりがいを感じていました。

先輩確かに、各分野で連携を取り合いながら進めたのは印象に残っています。試作機の性能・品質チェックで不良が起きた時、原因を見つけるために電気・機構・ソフトの各チームが、それぞれ不具合の原因となりそうな部分を切り分けて、早期に特定できたというのもありましたね。

後輩いろんなパターンの測定をするために、みんなでタイヤを買いに行きましたし。(笑)

先輩そうでしたね。あんなふうに各分野の人たちが問題解決に向けて一丸となって動いた経験は、今後の開発で問題が起きても、すぐ解決できるだろうと思えました。あと、請負だとお客様からご依頼いただいた内容に集中するので、他との連携を取りながら進めるというのはなかなかないので、とても良い経験ができたと思います。

自社開発だからこそ、挑戦志向の考え方を持てた。

先輩入社してからまだそんなに経験もない中で、「AIみぞみるくん」のプロジェクトに入ったわけですが、その経験から何か仕事で変化したことはありましたか?

後輩もともと「抱え込みがち」な性格で、大変なことがあっても自分で解決しようとしてしまうタイプだったんですが、仕事する中で「人に言う」ことの大切さを痛感しました。展示会の直前にいざ現場で組み立てても、まったく機能しなかったことがあったんです。何をしても解決せず、慌てて上司に相談すると、「部品に貼ってあるフィルムが原因では」となり、はがせば問題なく使えました。フィルムがあることを知らなかったとはいえ、「大事な部品だから当然保護するよな」と考えられない想像力のなさに情けなくなるのと、上司に聞けば解決したので、抱え込むことの危険さも実感しました。

先輩展示会直前でのトラブルで責任ある立場だと、なかなか失敗を報告しにくいタイミングだったと思うんですが、それでも言わなきゃいけない状況だったわけですね。

後輩冷静さも失っていたので、業務を進めるには落ち着いて行動する必要もあったなと思います。先輩はこのプロジェクトを通じての変化はありましたか?

先輩これまでの請負・派遣の仕事では、とにかく「納期に間に合わせる」、「必要な性能を達成する」ことを目指す安全志向な仕事がベースだったんですが、自社開発製品では「期間の中で、できる限り性能をよくする」ことが求められるので、挑戦志向で考える力がついたな思います。

後輩挑戦志向になれるというのは、私が入社してからもすごく感じています。社風としても、「こんなことはどうですか?」とアイデアを出すのは奨励されているので、パーソルAVCテクノロジー全体として、今後ますます新たな分野にチャレンジしていくんだろうなと思っています。

先輩この製品については、いずれガソリンスタンドなど、一般の方の目に触れるところで使われるようになってほしいですし、今回のプロジェクトで培ったAI技術が他の製品にも活かされるようになればいいですね。

後輩使用される方にとっても、今まで手作業だった溝計測が、本当に手軽に計測できるようになるので、喜んでもらいたいですよね。負担も減って、他の仕事に時間を回せるようになるので、業務改善につながれば嬉しいです。

NEXT Challenge

当社のさらなるチャレンジを
加速させる存在に。

今後も「AIみぞみるくん」は小型化や新機能の追加、さらにはアメリカでの量産など、さまざまな展開を予定しており、開発すべきことがいくつもあります。電気設計・機構設計の2人も、他分野との連携を通じて、互いに知識を吸収しながら技術を高めることで、より高性能・高品質な製品にすることを目指しています。そして、そのスキル・経験を他の業務にも活かし、パーソルAVCテクノロジーのチャレンジをさらに加速させる存在となっていくでしょう。